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子供たちの手作り夏祭りに、商売の本質を見た。そして僕は、よその行列をうらやむ

うちの子が通っているナナカラで、夏祭りがありました。

結論から言うと、これがもう、想像していた何倍も本格的で、僕はすっかり感心してしまいました。しかも、その日の夜には、商売人としての僕の心をざわつかせる出来事も待っていました。順番に話させてください。

目次

子供たちが「店役」と「お客」に分かれる

このナナカラの夏祭り、何がすごいって、子供たちが「お店をやる役」と「お客さん役」に分かれて体験する形式なんです。

ただ遊ぶだけじゃない。売る側と買う側、その両方を子供たちが実際にやってみる。これ、地味なようでいて、とんでもなく良い体験だと思うのです。

そして、その準備が、これまた本当によくできていました。

スーパーボールすくいも、もぐらたたきも、全部手作り

スーパーボールすくい、もぐらたたき、くじ引き——。定番の夏祭りの遊びが、ちゃんと揃っている。

で、驚いたのが、これ全部、子供たちの手作りなんです。

既製品を買ってきて並べたんじゃない。子供たちが自分たちで考えて、作って、用意した。もぐらたたきのもぐらも、くじ引きの仕組みも、手作り。完成度うんぬんの前に、「自分たちでお祭りを作り上げた」というその事実に、僕は胸が熱くなりました。

こういう体験って、本当に重要だと思う

大人になってから振り返ると、思うのです。売る側と買う側、両方を体験することの価値って、計り知れないな、と。

お店をやる側に立てば、「どうしたら来てくれるか」「どうしたら喜んでもらえるか」を考える。お客さんの側に立てば、「これは楽しい」「これはちょっと分かりにくい」と、受け取る側の気持ちがわかる。この両方を、子供のうちに、遊びながら体で覚える。

仕事柄、いろんな経営者の方とお会いしますが、商売の基本って、突き詰めればここなんですよね。相手の立場に立てるかどうか。それを、ナナカラの子供たちは、手作りのお祭りを通じて、もう体験している。すごいことだと思います。

設営にあたってくださった先生方、本当にありがとうございました。この体験を用意するの、準備がどれだけ大変だったか。おかげで、子供たちにとって忘れられない一日になりました。

そして夜、僕の心はざわついた

さて、心温まる話はここまでです。ここからは、僕の商売人としての、ちょっと情けない話。

その日の夜、近くの駅で、別の夏祭り(盆踊り)が開かれていました。何気なく足を運んだのですが——これが、ものすごい人出だったのです。

理由は、たぶん前日の雨。あちこちのイベントが中止になった反動で、行き場をなくした人たちが、この盆踊りになだれ込むように集まっていたようでした。焼きそばの屋台には、長蛇の列。どこもかしこも、大盛況。

……あの、覚えていますか。僕、つい先日、自分が焼いたソーセージを雨で売れ残らせた男です。

うらやましい。正直、めちゃくちゃうらやましい

目の前で繰り広げられる、屋台の行列。飛ぶように売れていく焼きそば。それを見ながら、僕の心の中は、ひとつの感情でいっぱいになっていました。

うらやましい。もう、めちゃくちゃうらやましい。

同じ雨に振り回されて、こっちは撤退、あっちは特需。この差は何なんだ。天は、なぜこうも不公平なのか。子供たちの手作り夏祭りで「相手の立場に立つ大切さ」に感動した数時間後に、僕は焼きそば屋の行列を眺めている。我ながら、感情の振れ幅がすごい。

でも、これも含めて、いい一日だったなと思うのです。子供たちの成長に胸を打たれ、よその繁盛に打ちひしがれ、人間くさい感情をひととおり味わった。夏祭りって、やっぱりいいものですね。来年は、僕の屋台にも行列ができますように。

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