「M&Aで会社を買った。でも、買ってからが本当の勝負だ」——そう感じている経営者の方へ。
事業承継・M&A補助金の**PMI推進枠(事業統合投資類型)**は、第三者からのM&A(買収)で株式や事業を譲り受けた後に、買収先との統合効果を最大化するための設備投資を支援する制度です。
M&Aは、契約が成立した瞬間がゴールではありません。買収先の工場・システム・販路を自社と噛み合わせて初めて、狙ったシナジーが生まれます。この枠は、まさに**「買った後」の統合投資(PMI)**に的を絞った補助金です。
対象になるのは、公募申請時点でM&Aのクロージングから3年以内の取り組み。「これから買う」段階でも、基本合意が締結されていれば申請できます。
千葉県を拠点に、オンラインで全国対応。中小企業診断士が、統合計画づくりから採択後の実行支援まで伴走します。
この補助金でできること
PMI推進枠(事業統合投資類型)は、M&Aで経営資源を譲り受けた企業が、統合効果(PMI)を最大化するための投資に使えます。
具体的には、こんな取り組みが対象になります。
- 買収先と自社の工場・製造ライン・物流を統合するための設備導入・工事
- 二重になっている業務システムを統合・最適化する
- 買収で広がった販路を活かすためのブランド統一(ロゴ・看板の刷新など)
- 統合による無駄(ディスシナジー)を解消し、コストシナジーを生み出す投資
キーワードは**「シナジー」です。単なる設備の買い替えではなく、「買収した会社と一緒になったからこそ生まれる相乗効果」**を狙った投資であることが求められます。
補助上限額と補助率
| 項目 | 内容 |
| 補助率 | 小規模事業者等:2/3以内/その他の中小企業者:1/2以内 |
| 補助下限額 | 100万円 |
| 補助上限額 | 800万円(賃上げ要件達成で1,000万円まで) |
| 廃業費(併用時) | +300万円以内 |
※賃上げ要件を満たすと上限が1,000万円に上がりますが、800万円を超える部分の補助率は1/2以内になります。
※「小規模事業者等」とは、製造業その他は従業員20人以下、商業・サービス業は5人以下(宿泊業・娯楽業は20人以下)の事業者を指します。
※廃業費は「廃業・再チャレンジ枠」と併用申請した場合のみ対象です。
補助率・上限額の枠組みは事業承継促進枠と同じですが、対象になる場面(M&A後の統合投資)がまったく異なります。
対象になる方
以下をいずれも満たす中小企業者・個人事業主が対象です。
- 第三者とのM&A(株式譲渡・第三者割当増資・株式交換・吸収合併・吸収分割・事業譲渡)で経営資源を譲り受けた/譲り受ける予定である
- 公募申請時点でM&Aの基本合意契約が締結されている(交付申請時点で最終契約が締結見込み)
- 公募申請期日時点で、M&Aのクロージングから3年以内の取り組みである
- M&A後、承継者が対象会社の議決権の過半数を保有する
- 法人は3期分の決算・申告を完了している(個人事業主は開業から5年経過)
- 日本国内で事業を営み、地域経済に貢献している
注意すべきポイント: この枠は**「第三者との実質的なM&A」が前提**です。次のケースは対象になりません。
- 親族間の事業承継(→ こちらは事業承継促進枠が対象)
- グループ内・同族関係者・支配関係のある法人との再編
- 物品・不動産だけの売買、従業員の引き継ぎがない事業譲渡
- 買収後も議決権が過半数に満たない場合
親族への承継に伴う設備投資をお考えの方は、事業承継促進枠が対象です。
→ 事業承継・M&A補助金(事業承継促進枠・親族内承継)の詳細はこちら
使える経費
補助対象は、統合のための設備投資が中心です。
| 経費区分 | 内容 |
| 設備費 | 事業統合のための設備購入、工事等 |
| 外注費 | 業務の一部を第三者に外注(請負)する経費 |
| 委託費 | 業務の一部を第三者に委託する経費 |
ここが最重要の注意点:
PMIの「専門家費用」は、この枠では対象外です。具体的には——
- M&A仲介手数料
- DD(デューデリジェンス)費用
- M&Aコンサルティング費用
- PMI専門家への手数料
これらは補助されません。この枠はあくまで**「統合のための設備投資」**が対象で、専門家の活用費用は別枠(PMI専門家活用類型・専門家活用枠)の対象になります。
その他の対象外経費:
- 汎用性が高いもの(パソコン・タブレット・スマホ等)
- 中古品、不動産、自動車の購入費
- 消耗品、通信費、光熱費、売上原価・製造原価
- Webサイト制作費・広告費
「M&Aにかかったお金を補助してほしい」というニーズとは対象がずれるため、何が補助され、何が補助されないかの見極めが特に重要な枠です。
採択のポイント
PMI推進枠で採択されるために、押さえておきたい点を挙げます。
1. 「シナジーの中身」を具体的に描く
審査では、統合投資によって見込まれるシナジー(相乗効果)や地域経済への影響が問われます。「買収先と統合すると、なぜ・どのくらい効率が上がるのか」を、数字で語れるかが勝負です。
2. ディスシナジーの解消を明確にする
「この投資をしないと、どんな非効率が残るのか(ディスシナジー)」を示すと、投資の必要性が説得力を持ちます。統合の”痛点”を言語化することが有効です。
3. M&Aの証憑を早めに整える
基本合意契約・最終契約・クロージング証憑(振込明細等)が必要です。M&Aの進行と補助金申請のスケジュールを並行して管理する必要があります。
4. 生産性向上要件(付加価値額 年3%向上)を計画に
5年間で付加価値額または1人当たり付加価値額の伸び率が年3%以上になる計画が求められます。統合後の収益改善を、数字で裏付けます。
5. 加点を取りにいく
経営力向上計画の認定、地域未来牽引企業、事業継続力強化計画、賃上げ表明など、該当する加点事由は漏れなく申請します。
M&Aは「買収額の妥当性」に目が行きがちですが、採算が生まれるのは統合後です。MQ会計(採算管理)の視点で、統合投資が本当にシナジー=付加価値を生むのかまで踏み込んで、机上で終わらない計画づくりをお手伝いします。NTTグループでのグローバル事業・データセンター統合の実務経験も、統合計画の解像度を上げる材料にできます。
よくあるご質問
Q. M&Aの仲介手数料やDD費用は補助されますか?
この枠(事業統合投資類型)では対象外です。M&A仲介手数料・DD費用・M&Aコンサル費用・PMI専門家費用は、別枠(PMI専門家活用類型・専門家活用枠)の対象になります。この枠は「統合のための設備投資」が対象です。
Q. まだ買収先と契約していませんが、申請できますか?
公募申請時点で基本合意契約が締結されていれば申請できます(交付申請時点で最終契約が締結見込みであること)。「これから買う」段階でも、基本合意まで進んでいれば対象です。
Q. 買収してから何年まで対象ですか?
公募申請期日の時点で、M&Aのクロージング(株式・事業の引渡しと決済の完了)から3年以内の取り組みが対象です。
Q. 親会社が子会社の統合投資費用を出す場合はどうなりますか?
買収した対象会社(子会社)が費用を負担する場合は、親会社(承継者)との共同申請が必要です。誰が費用を負担するかで申請の形が変わります。
Q. 親族の会社を買った場合も対象ですか?
対象外です。親族間の承継や、グループ内・同族関係者・支配関係のある法人との再編は、実質的なM&Aとみなされません。親族内承継は事業承継促進枠が対象です。
まずは無料でご相談ください
準備には、思っている以上に時間がかかります。
「うちは対象になるのか」の確認だけでも構いません。
初回相談は無料・オンライン可・全国対応です。

