昨晩、千葉県で線状降水帯が発生しました。
広い範囲で警戒レベル5(大雨特別警報)が出て、多くの地域で被害が出ています。私の住む地域も、これまで経験したことのない雨に見舞われました。
まず、今回の災害で被害に遭われた方に、心よりお見舞い申し上げます。この記事は、その渦中で私が感じたことを、忘れないうちに書き留めておくものです。
警戒レベル5とは、どういう状況か
ニュースで「警戒レベル5」と聞いても、正直、どれくらい危険なのかピンとこない方もいるかもしれません。私も、実際に経験するまでは、そうでした。
調べてみると、警戒レベル5にあたる「特別警報」は、通常の「警報」の基準をはるかに超える、数十年に一度の大災害が予想されるときに発表されるものだそうです。
そして、ここが大事なところです。レベル5は「これから避難してください」という段階ではありません。すでに命の危険が迫っている段階です。
だからこそ、行動も変わります。屋外への移動が、かえって危険な場合があります。そんなときは、無理に外へ出ず、近くの頑丈な建物の高い階に逃げるなど、その場で「直ちに命を守る最善の行動」を取ることが必要になります。「今いる場所で、少しでも安全な状態をつくる」——それがレベル5で求められることです。
今回の千葉では、1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降り続き、千葉市では半日で観測史上最多の雨量を記録したと報じられています。数字だけ見ても、いかに異常だったかが分かります。
千葉に住み始めて、初めての経験
私は、千葉に住み始めて、こんな経験は初めてでした。
正直に言うと、私はどこかで「千葉は大丈夫」と思っていました。高い山がない土地なので、大雨や大雪の被害は、ほとんどないだろう、と。土砂崩れのような、山あいの災害とは無縁だと、勝手に思い込んでいたのです。
でも、今回のことで、その思い込みは崩れました。山がなくても、線状降水帯は発生する。 平野であっても、短時間に大量の雨が降れば、道路は冠水し、川は溢れ、命に関わる事態になる。当たり前のことなのかもしれませんが、実際に体験して、ようやく「自分ごと」として認識できました。
「うちの地域は災害が少ないから」——その油断こそが、いちばん危ないのだと、身をもって知りました。
「わが家の防災ルール」が大切だと、強く感じた
この一晩を過ごして、私が強く感じたことがあります。それは、家族で「防災のルール」を決めておくことが大切だ、ということです。
難しい話ではありません。いざ災害が起きたとき、どこに避難するか。誰が何を持ち出すか。連絡が取れなくなったら、どこで落ち合うか。何を備蓄しておくか。こうしたことを、平時のうちに家族で話し合って、決めておく。それだけのことです。
実は、これと同じ考え方が、仕事の世界にもあります。会社が災害や事故に見舞われたとき、事業をどう続け、どう早く立て直すかを前もって決めておく計画を、BCP(事業継続計画)と呼びます。私は普段、中小企業の経営者向けに、この大切さをお伝えする立場です。
でも今回、それは会社だけの話ではないと痛感しました。家族にも、同じことが言える。「わが家の防災ルール」は、いわば家庭版のBCPなのだと思います。
備えがあると、いざというとき「動ける」
なぜ、事前に決めておくことが大切なのか。
災害の渦中は、誰でも冷静ではいられません。パニックになり、頭が真っ白になる。そんなときに「さあ、どうする」とゼロから考えるのは、とても難しい。
でも、あらかじめ「こうなったら、こうする」と決めてあれば、その通りに体が動きます。的確な行動が取れる。そして何より、「備えてある」という事実そのものが、不安を和らげてくれるのです。
昨晩、私自身、「もしこうなったら、次はこうしよう」と考えられる部分については、いくらか冷静でいられました。逆に、備えの甘かった部分では、ずいぶん慌てました。この差は、大きいと感じました。
災害は、体力の勝負であると同時に、メンタルの勝負でもあります。心が折れないためにも、事前の備えが効いてくるのだと思います。
「備えあれば憂いなし」を、思い出させてくれた
「備えあれば憂いなし」という言葉があります。
こんな渦中に、この言葉を持ち出すのが適切かどうかは、正直、分かりません。被害に遭われた方の前で、軽々しく口にできる言葉ではないとも思います。
それでも、今回の経験は、私にこの言葉を強く思い出させてくれました。災害に対しては、起きてから慌てるのではなく、起きる前の予防・備えこそが大切なのだ、と。当たり前のようでいて、つい忘れてしまうこの原則を、改めて心に刻みました。
会社の備えも、家族の備えも、根っこは同じです。「もしも」を、平時のうちに考えておく。それだけで、いざというときの行動も、心の余裕も、まったく変わってきます。
まだ雨は完全には収まっていません。被害に遭われた方が、一刻も早く日常を取り戻せることを、心から願っています。そして、この経験を、私自身の、そして読んでくださった方の「備え」を見直すきっかけにできればと思います。
どうか、皆さまご無事で。

