【この記事は、こんな”あなた”に、まず読んでほしい】
◆令和8年8月の豪雨で、店舗や工場が浸水してしまった方
◆機械や設備が水に浸かり、買い替えに頭を抱えている方
◆「補助金があるらしいけど、うちは対象?」とわからずにいる方
◆千葉県内で小さく商いを営む、すべての事業者の方
◆被災した知人・取引先に、確かな情報を届けたい方
まず、お見舞いを申し上げます。
令和8年8月の千葉豪雨で被災された事業者の皆さま、本当に大変な日々だと思います。片付け、取引先への連絡、資金繰り——やるべきことが山積みで、気持ちの整理もつかないうちに、次から次へと現実が押し寄せてくる。その渦中にいらっしゃる方も多いはずです。
そんな中で、知っておいてほしい制度があります。
千葉県が、被災した小規模事業者の再建を支える補助金を用意しました。「千葉県被災小規模事業者再建支援事業」です。
浸水で傷んだ店舗の修繕、ダメになってしまった業務用の機械や設備の買い替え。そうした再建の費用を、最大100万円、かかった費用の3分の2まで県が補助してくれます。
この記事では、僕が普段、商工会議所の窓口で相談を受けている立場から、
・この補助金は、結局いくらもらえるのか
・自分が対象になるのか、どう確かめるのか
・いつまでに、何をすればいいのか
を、できるだけわかりやすく、正確にお伝えします。難しい言葉は、ひとつずつかみ砕きます。どうか、肩の力を抜いて読んでください。
※この記事は、千葉県が公表した令和8年10月7日時点のチラシをもとにしています。制度の詳細は今後公表される申請要領で最終確定するため、最新情報は必ず県や商工会・商工会議所でご確認ください。
第1章:この補助金で、いくら戻ってくるのか
まず、一番気になるお金の話から、はっきりさせます。
補助率は「3分の2」、上限は100万円
ポイントは、この2つです。
- かかった費用の3分の2を、県が補助してくれる
- ただし、もらえるのは最大100万円まで(下限は10万円)
言葉だけだとイメージしづらいので、チラシに載っている具体例で説明します。
例①:浸水で、床や壁を張り替えた場合
床の張り替えに90万円、壁紙の張り替えに30万円、合わせて120万円かかったとします。
この3分の2なので、補助金は80万円。自己負担は40万円で済みます。
例②:業務用の冷蔵庫が、水に浸かって使えなくなった場合
買い替えに180万円かかったとします。3分の2だと120万円ですが、ここで上限の100万円が効きます。
なので、補助金は上限いっぱいの100万円。
——いかがでしょう。「全額は出ない」けれど、「再建のかなりの部分を、県が肩代わりしてくれる」。そういう制度だと受け止めてください。自己負担がゼロにはなりませんが、この3分の2という補助率は、決して小さくありません。
第2章:何に使えて、何に使えないのか
次に、「どんな費用が対象になるのか」です。ここを勘違いすると、あとで「対象外でした」となりかねないので、丁寧に整理します。
対象になる費用(3つ)
| 対象経費 | 具体例 |
|---|---|
| ① 施設修繕費 | 浸水した床・壁・天井の張り替え、建具の修理など |
| ② 機械装置費 | 壊れた業務用機械・設備の修理、買い替え |
| ③ 設備廃棄費 | 使えなくなった設備の廃棄費用(※①②と一緒に行う場合に限る) |
③の廃棄費は、単独では対象になりません。「修繕や買い替えとセットで出た廃棄費なら対象」と覚えてください。
対象にならない費用
ここ、注意してほしいところです。
- 車両の購入費は、対象外です。 浸水で車がダメになっても、この補助金では買えません
- 保険金が出る(出た)費用も、対象外です。 保険でカバーされる分を、二重に補助することはできない、という考え方です
もう一つ、時期の条件があります。対象になるのは、8月13日以降(ただし、令和8年8月の豪雨と記載があるので、注意が必要)の豪雨で被災した日以降に発生した費用です。被災前に発注したものや、災害と関係ない出費は含まれません。
第3章:あなたは対象になる?3つの条件
「うちは使えるのか?」——これを確かめましょう。大きく、次の条件を満たす必要があります。
条件① 千葉県内に事業所がある「小規模事業者」であること
まず大前提として、千葉県内で事業を営んでいること。そして「小規模事業者」であることが条件です。
小規模事業者とは、ざっくり言うと従業員が少人数の、小さな会社や個人事業主のこと(業種によって人数の基準は変わります)。多くの個人商店、町工場、小さな飲食店などが、ここに当てはまります。「自分が小規模事業者か不安」という方は、あとで紹介する商工会・商工会議所に聞けば、すぐに教えてもらえます。
条件② 被災したことを証明できること
罹災証明書(りさいしょうめいしょ)や被災証明書など、「確かに被災しました」とわかる書類が必要です。
これは市区町村に申請して発行してもらう書類です。まだ取っていない方は、早めに動いてください。申請が混み合うと、発行まで時間がかかることがあります。
条件③ 商工会・商工会議所の支援を受けること
これが、この補助金の大きな特徴です。申請にあたっては、商工会または商工会議所のサポートを受けることが条件になっています。
「ハードルが上がった」と感じるかもしれません。でも、僕はむしろ逆だと思っています。これは、一人で抱え込まず、専門家と一緒に進めなさい、という制度側の優しさだと受け取っています。書類の書き方も、対象経費の整理も、プロが並走してくれる。使わない手はありません。
加えて:事業終了後に「BCP」を作ること
もう一つ、申請後の約束事があります。補助事業が終わってから1年後までに、BCP(事業継続力強化計画を含む)を策定することが求められます。
BCPとは「事業継続計画」のこと。平たく言えば、**「次にまた災害が起きても、商売を続けられるように備えておく計画」です。
正直、「再建で手一杯なのに、計画まで?」と思うかもしれません。でも、ここは私もサポートできます。今回のような豪雨が、また来ないとは限らない。この機会に備えを一つ作っておくことは、あなたの事業を次も守る盾になります。
第4章:いつ、何をすればいいか
最後に、スケジュールと動き方です。被災者支援の補助金は、締切が区切られています。乗り遅れないよう、全体像をつかんでください。
想定スケジュール
| タイミング | 時期(予定) |
|---|---|
| 申請受付の開始 | 令和8年11月中旬 |
| 1回目の締切 | 令和8年12月中旬 |
| 2回目の締切 | 令和9年1月上旬 |
※これは「想定スケジュール」です。制度の正式決定後に、申請要領とあわせて確定します。日付は変わる可能性があるので、必ず最新情報をご確認ください。
申請は原則として電子申請ですが、書面での申請もできる予定です。パソコンが苦手な方も、諦めなくて大丈夫です。
今、受付前にやっておくべきこと
受付開始は11月中旬ですが、今のうちにやれることがあります。むしろ、今やっておくかどうかで、あとの楽さが変わります。
① 罹災証明書・被災証明書を取っておく
市区町村に申請して、被災を証明する書類を準備します。これは早いほどいい。
② かかった費用の「証拠」を残しておく
修繕や買い替えの見積書、請求書、領収書、支払いの記録。そして被災直後と、修繕前後の写真。これらが、申請の裏付けになります。片付けを急ぎたい気持ちはわかりますが、捨てる前に、一枚でも写真を残してください。
③ 最寄りの商工会・商工会議所に、今すぐ相談する
これが一番大事です。条件②でお伝えした通り、どのみち商工会・商工会議所の支援が必要になります。だったら、受付開始を待たずに、今から相談を始めておくのが得策です。早く動いた人から、準備が整っていきます。
- 商工会をお探しの方:https://www.chibaken.or.jp/shokokai_list.php
- 商工会議所をお探しの方:http://www.cfcci.or.jp/link01/
最後に
補助金の話をしてきましたが、最後に、これだけは伝えさせてください。
被災して一番つらいのは、「自分だけが取り残されている」ような、あの孤独感だと思います。問い合わせ先がわからない、誰に聞けばいいかわからない、制度が難しくて読む気力も湧かない——そうやって、支援にたどり着けないまま時間だけが過ぎていく。これが、一番もったいない。
でも、今日お伝えした通り、入口はシンプルです。
まず、最寄りの商工会か商工会議所に、電話を一本かける。
それだけで、専門家があなたの隣に立ってくれます。書類のことも、お金のことも、計画のことも、一緒に考えてくれる人がいます。あなたは、一人ではありません。
水に浸かった床も、止まってしまった機械も、また動き出します。その再建の一歩を、この制度が、そして地域の支援機関が、必ず後押ししてくれます。
どうか、諦めないでください。そして、気軽に頼ってください。あなたの商売が、また元気に動き出す日を、心から願っています。
参考・出典
- 千葉県「千葉県被災小規模事業者再建支援事業」チラシ(令和8年10月7日時点版)
https://www.pref.chiba.lg.jp/keisei/genkist/documents/hisaihozyokinchirashi.pdf - ※本記事は令和8年10月7日時点の情報に基づきます。制度の詳細・最新情報は、千葉県および最寄りの商工会・商工会議所でご確認ください。

